「家族のきずな」は幻想になりつつある?

政府が「国民家族年」などというようなものをつくるようになり、「家族」や「家族愛」の大切さが訴えられるようになりました。家族を大切にすること自体はけっして悪いことではありませんが、それが強く求められるということは、「家族」が崩壊しつつあるからでしょう。社会の安定と家族関係とは、密接なかかわりがあります。個人主義がもてはやされて家族が軽視されるようになると、さまざまな社会問題が発生してきました。社会の危機を救うためには、家族の基盤を強くしなければならないと考えられるようになってきたのです。しかし、家族の絆を強くするということは、実に難しいことです。

これが家族だ!というモデルがなくなってしまった時代

かつては、「模範家族」というようなものが存在していました。60年代ころには「ニューファミリー」などと呼ばれるものが登場し、核家族で生活を楽しむ人たちが登場します。両親と子ども二人だけの4人家族が、休日になると車でドライブに出かけたり、デパートの屋上の遊具で遊び大食堂で食事を楽しむ。かつての大家族から解放されて、小さな家庭を楽しむ人たちが増えたのです。戦後民法がかわり家父長制が廃止されたのと同時並行的に核家族化が進行して、小さな家族へと環境が変化しました。

同時に価値観の西洋化とともに「個人主義」的な考え方が根付くようになります。家族の中がさらに「個人」に細分化されていったのです。かつては、「サザエさん」のような家庭に誰もが憧れ、平凡だけれどもあたたかい家庭を目指していましたが、次第に、家庭の中でプライバシーが重要視されてくると、あたたかさはむしろ邪魔になってきます。その結果、誰もが認める家庭のモデルがなくなってしまいました。代わりに「こうなりたくない」というモデルが現れます。家庭内暴力や不登校、いじめ、父親や母親の不倫などなどが、問題となってきました。

頼れるものがなくなり、家族回帰が始まった!

社会が高度化してくると、生活する上でのストレスが増加しました。どこに行ってもストレスに囲まれた生活を強いられるようになると、人々はよりどころを求め始めます。社会の不安定化に対する恐れから、現代は「家庭」を大切にしたい、と考える人が増えてきています。人間的な連帯の基礎となるのは「家庭だ」ということになったのです。ただ、社会全体の問題について自分の家族に頼っても解決するはずはありません。

家庭に帰ればすべての問題を癒し解決してくれる、という幻想が、逆に家族に対する失望に変わる可能性はあります。仕事に疲れた夫は、妻を抱けばストレスが発散されると期待しますが、実際にはそういうことはほとんどありません。PTAなどの人間関係に疲れた妻は、夫に抱かれれば癒されると期待しますが、なかなかそうはなりません。社会の歪みをセックスで解消できるはずはないのです。筋違いの期待が夫婦の関係を壊してしまうこともあります。

若さを取り戻し性生活を思う存分楽しむことは大切ですが、それによって社会の矛盾までもが解消できると期待するのは誤りです。


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